5.小児領域での移植成績
本報告書中小児科領域の造血幹細胞移植は、診療科が小児科(その分科を含む)ないしは小児科医が主治医として2001年12月31日迄に実施された造血幹細胞移植である。最終観察日は2002年7月31日である(つまりたとえ報告があってもこれ以降のイベントはイベントと見なさない)。複数回の造血幹細胞移植が実施されている患者様の割合は、12.4%に及ぶ。今回の報告書作成にあたっては、複数回移植症例の正確な同定に努めた。解析対象とする造血幹細胞移植は、原則として、造血幹細胞移植全体ないし自家造血幹細胞移植は初回造血幹細胞移植を対象とした。一方、同種造血幹細胞移植の解析は、初回同種移植を同定し、それ以前に自家造血幹細胞移植を行っている場合でも対象とした。登録された移植中、診断名、幹細胞種類、ドナーは全て同定した。移植実施日、最終観察日、転帰のいずれかが登録票に記載されていない移植は解析から除外した。粗生存率のイベントは死亡である。無病生存率のイベントは、死亡、拒絶、再発、二次癌とした。複数回移植例の無病生存率の扱いは打ち切りであるが、拒絶、再発、二次癌例で、拒絶日、再発日、二次癌発症日が不明の場合、次回移植日をイベント日とした。生存曲線の群間の比較は、比較条件以外の背景が近くなるように設定した。例えば、自家末梢血幹細胞移植では1987年以降に限定し、また、同種末梢血幹細胞移植の場合、1997年以降でかつHLA適合同胞間のみを対象として示した。AMLとALLの移植時期は、種々のプロトコールによる治療背景を考慮し、第1寛解期・第2寛解期のものをあわせたものと、それ以外という区分のみを示した。移植年代区分は移植実施年を5年毎に区分し、1986年迄、1987年〜1991年、1992年〜1996年、1997年以降の4区分で示した。図中の略号は小児血液腫瘍の臨床の現場で用いられているものに準拠しているが、特記すべきものあるいは必ずしも一般的でないものを中心に以下に示す。
- Ph1-leukemia:フィラデルフィア染色体陽性ないしBCR-ABL陽性の急性白血病
- MLL-Infant ALL:MLL再構成ありの乳児ALL (AMLは除外した)
- AA:Aplastic anemia
- FA:Fanconi anemia
- PRCA:Pure red cell anemia
- NHL:Non-Hodgkin lymphoma
- HD:Hodgkin disease
- NBL:Neuroblastoma
- HBL:Hepatoblastoma
- WT:Wilms tumor
- RMS :Rhabdomyosarcoma
- EWS:Ewing sarcoma
- OS:Osteosarcoma
- GCT:Germ cell tumor
- BT:Brain tumor
- MPS:Muco-poly-saccharidosis
- ALD:Adrenoleukodystrophy
- WAS:Wiskott-Aldrich syndrome
- CGD:Chronic granulomatous disease
- CAEBV:Chronic active EBV
- HPS:Hemophagocytic syndrome
- NK/EB leukemia, NK/EB NHLは、myeloid/natural killer (NK) cell precursor leukemia/ lymphomaとEBV-related leukemia/lymphoma (PT-LPDを含む)を総称したもの。
- APBSCT:自家末梢血幹細胞移植
- MSD-BMT:HLA適合同胞間骨髄移植
- MSD-Allo-PBSCT:HLA適合同胞間末梢血幹細胞移植
- FaMo-SCT:親子間造血幹細胞移植
- Mismatched FaMo-SCT:HLA不適合親子間造血幹細胞移植
- Syn-BMT:同系同胞間骨髄移植