一般社団法人日本造血細胞移植学会 The Japan Society for Hematopoietic Cell Transplantation

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5. 骨髄採取の実際

最終更新日:2018年5月17日

骨髄採取の方法

骨髄採取は、一般的に患者さんの移植日と同日に行われます。入院は3~4日間が一般的ですが、採取のための準備は1か月から1か月半くらい前から始まります。通常、入院と数回の受診(術前検診、麻酔科受診、自己血貯血、採取後検診)が必要となります。

1)骨髄採取量の決定

骨髄採取量は、患者の体重、ドナーの体重、ドナーの血液検査(ヘモグロビン<血色素>値)の結果により決定されます。患者が成人の場合500~1000ml程度の骨髄液の採取が必要となります。しかし、ドナーに大きな負担がかからないことを第一に考え採取量を決定します。

2)麻酔科受診

全身麻酔での手術となりますので、採取担当医とは別に、麻酔科医の診察を行い、麻酔や手術について説明を受けます。

3)自己血貯血(保存)

400ml以上の骨髄採取が予定される場合は、採取中の血圧低下や採取後の貧血を防ぐことで安全に骨髄採取を行うために、ドナー自身の血液を手術前に貯めておく「自己血貯血」を行います。貯血は、少し太めの針を用い、献血と同じ要領で実施されます。自己血には保存可能な期限があるため、採取日の1~5週間前に1~2回に分けて(1回200~400ml)採血を行います。貯血にあたって鉄剤の処方がされる場合もあります。

4)骨髄採取術

骨髄採取は手術室で行われ、手術時間は1時間から1時間半くらいですが、手術の準備や麻酔を覚ましてから退出するため、全部で入室してから2~3時間程度かかります。

全身麻酔のため口から気管にチューブを入れ、手術中は人工呼吸器で呼吸管理を行います。また場合によっては尿量把握のために尿道にカテーテルを入れることがあります。体はうつぶせにして、ベルトでズボンを留める腰の位置より少し下の部分にある骨盤の後側の骨(腸骨)に骨髄採取針(ボールペンの芯くらいの太さ)を数回から数十回刺し、注射器で骨髄液を吸引しますが、同じ皮膚の刺した小孔から何度も針先をずらしながら骨に刺すため皮膚の針痕(2~3ミリ程度)は2~4か所くらいです。採取終了後、手術室で十分麻酔から覚めたことを確認し病室へ戻ります。

5)採取後の症状

手術後数時間は安静が必要で、その間点滴や酸素吸入、施設によっては尿道にカテーテルが挿入されたままの場合があります。状態を見ながら医師により安静解除が指示されます。

体調に問題なければ採取日の翌日または翌々日の退院となり、退院後1週間以内に通常の生活に戻られる方がほとんどです。

6)採取後検診

採取数週間後に検診が行われ、採取に関連する合併症や副作用がなければ終診となります。

骨髄採取の合併症

骨髄採取は、全身麻酔で行われますので、麻酔に伴う事故や副作用の危険性があります。また、麻酔中に気管に入れたチューブを抜いた後、喉の痛みや違和感、尿道にカテーテルを挿入した場合は抜去後に排尿時痛を生じることあります。個人差はありますが、麻酔が切れた時点から採取部位の鈍い痛みを感じます。しかし、これらの痛みは、1~2週間程度で治まります。採取をした針孔から多少出血することがありますが、通常1~2日で止まります。針痕は大抵3~6か月で消えますが、時に小さい痕が残る場合もあります。採取部位が感染して化膿する危険性もありますが、極めてまれで、その場合は適切な処置が行われます。また、採取後に一過性の発熱や倦怠感、吐き気を伴うこともあります。ほとんどの場合熱は1~2日で自然に下がりますし、痛みや発熱などの症状に対しては痛み止めや解熱剤を使用することで軽減できます。

重篤な合併症は極めてまれですが、詳しくは「ドナー有害事象報告ページ」をご覧ください。

◆骨髄採取や 麻酔に伴う重大な事故

世界で5例の骨髄ドナーの死亡事故が報告されています。
詳しくは 日本骨髄バンク「ドナーのためのハンドブック」をご覧ください。

<参考資料>
骨髄バンク ドナーのためのハンドブック 

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