一般社団法人日本造血細胞移植学会 The Japan Society for Hematopoietic Cell Transplantation

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11-5. その他の臓器晩期毒性

最終更新日:2018年5月9日

その他の臓器晩期毒性として、心疾患、腎疾患などがあります。移植後の心疾患は、数年から数十年で出現し、心筋症、弁膜異常、伝導障害、無症候性心機能障害、うっ血性心不全、虚血性心疾患、不整脈など、様々なものがあります。移植を受けた患者さんは、一般の人よりも心疾患のリスクが2-4倍高いとされます。また、特にアントラサイクリン系抗がん剤の総使用量が多い患者さんや、胸部に放射線照射治療を受けられた患者さんでリスクが高まることが知られています。移植後は若年でも心疾患が発症する可能性があるため、予防が大切です。日常生活の管理で重要なことは、肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧の予防、禁煙、適度な運動、食事などです。移植後は、心エコーや心電図などの検査を必要に応じて行いますので、医師と相談して下さい。

移植後には慢性腎臓病が20%程度で発症すると言われています。発症しやすい時期は移植後6か月~1年と言われ、多くの場合経過は緩やかですが、進行性の場合は人工透析が必要になったり、致命的になることもあります。慢性腎臓病の原因は多岐に渡りますが、移植前に使用した抗がん剤や全身放射線照射、薬剤性(カルシニューリン阻害剤、バンコマイシンなどの抗生剤の一部、ホスカルネットなどの抗ウイルス薬の一部等)、ウイルス感染症(アデノウイルス、BKウイルスなど)の影響などが挙げられます。同種移植後にはネフローゼ症候群を発症することもあり、治療によって改善が不十分の場合は、慢性腎臓病に移行することがあります。高血圧は慢性腎臓病を悪化させる要因であるため、血圧の管理は大切です。移植後は腎臓に負担のかかる薬剤を使用せざるを得ない場合が多いため、十分な水分摂取を行うことが大切です。

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